仙台Ⅰゾンタクラブ11月例会

Posted by koho on 2021 年 11 月 26 日 under お知らせ

雫石氏の卓話

日時:2021年11月16日(火) 18:30~   場所:国際ホテル 出席者17名 

今月の卓話:タイトル 「川柳を楽しむ」                             講師;公益社団法人 宮城県芸術協会理事長  雫石 隆子氏

 仙台はコロナ感染が収束しつつありますが対策予防を十分に配慮しての例会の開催です。

川柳は江戸時代中期に俳諧連歌から派生した短詩文芸のひとつ。 連歌は長句(5,7,5)短句(7,7)を何人かで交互に読み続ける詩で、室町時代に大成され、江戸時代に俗世間の諧謔性を取り込み俳諧連歌となった。前句附から附句を独立させ、滑稽、風刺を旨とした17字の短詩が川柳である。                              川柳という名称が定着したのは明治後半からで、それ以前は俳風狂句とか柳風狂句、季無し俳句などと呼ばれた。「川柳風」と言われるようになったのは、江戸時代中後期(18世紀後半)俳諧の前句附点者(宗匠)であった柄井川柳が面白い選句をして人気を博したからである。                                           ・はえば立て たてばあゆめの親心  ・ 親孝行 したいときには親はなし  ・ 能く寝れば ねるとてのぞく枕がや  よく知られた句を世に流布させた選者の柄井川柳は、多くの投句者を集め、入選作の中からよいものを選んで「誹風柳多留」と題した撰集を生前に24篇刊行した。この「古川柳」が文芸「川柳」の祖型として現在に受け継がれている。  一方、明治時代に、正岡子規が連句の最初の発句にのみ価値があるとして独立させた短詩が俳句である。「俳句」は文語体で「詠み」、季語、切れ字(けり、や、かな)を有し、自然情緒が豊かであるのに対し、「川柳」は口語体で「吐き」、人間動作が題材。社会風刺、滑稽さなども対象としている。  川柳の楽しみ方には、さまざまある。作句の楽しみ、他人の句を読む楽しみ、古川柳を通して時代の風俗などを識る楽しみ。また、句会、大会で入選し、賞品や賞金を得る楽しみ。人生の節目などに句を交わす贈答の楽しみ。作品を残す楽しみ等々。                                      雫石氏は、「川柳は60歳からでも出来る。一句ひねる時が至福の時間」とおっしゃる。 川柳とその楽しみについて多くのことを学ばせていただき魅力を感じたひと時だった。