10月例会 卓話

Posted by koho on 2020 年 12 月 2 日 under お知らせ

2020年10月20日開催の10月例会では、講師に宮城県民藝協会会員、河北 TBC カルチャーセンター講師 大谷美紀氏をお招きし、「くらしと民藝」と題した卓話を頂戴しました。

「民藝」という言葉は柳宗悦が唱えた新しい「美」の概念で、まだ 100年も経っていない。柳は普段の生活の中の美しい物を「民藝」と名付け、「美しい手仕事の品を取り入れた美しい生活を目指す」ことを提唱した。現在、民藝を知ることができる場所として、東京に「日本民芸館」が、各地に民藝の専門店である工芸店が、そして日本の30か所に「日本民藝協会」がある。
宮城県民藝協会は 1967年に発足、又、仙台には民藝の専門店「光原社」 があり、そこに協会の事務局がおかれている。 今回紹介する「ホームスパン」は、スコットランド・アイルランドが原産。ホームスパンとは、元々は「家で紡いだ糸」を、その後、「手紡ぎし手織りした毛織物」を指すようになり、更に最近は材料も種々になってきた。日本では岩手県が中心的産地である。

大谷氏はライター編集者であり、企業、大学などの記念誌等に関連した仕事を多くされてきた。 仙台に来て「民藝」に関わり、大谷氏自身に3点変化が生まれた。 1.物と対話することが増えた。2.物の扱いが丁寧になった。3.文章を書く折りに修飾語が減った。「民藝」品は、触れて、見ることが大切。ホームスパンは軽く、暖かで、体が包み込まれるようである。実際、寒い日は暖かく、暑い日は風通し良く涼しい着心地である。又、仕立て直して長く着続けることができるのも良い。「作り手、使い手、つなぎ手のお互いが長く楽しめる物を身近に取り入れていくことで、生活が美しくなっ ていくこと」が、「民藝」の目指すことである。

仙台Ⅰゾンタクラブでは、一定のソーシャルディスタンスを保った座席、マスク着用・消毒の徹底、換気等、感染症対策を行った上で例会を開催しております。